太平洋の長期記憶

太平洋の深海ではまだ寒冷期が続いている

海は長い記憶を持っている。太平洋深部の海水が最後に太陽光を見たとき、カール大帝は神聖ローマ帝国の皇帝であり、宋は中国を支配し、オックスフォード大学は設立されたばかりだった。

ウッズホール海洋研究所(WHOI)とハーバード大学の研究者たちは、太平洋が気温の関係で数世紀遅れており、いまだに小氷河期への突入に適応していることを発見した。

「これらの海域は非常に古く、長い間浅かったわけではないので、ヨーロッパが歴史上最も寒い冬を経験した数百年前のことを『覚えている』のです」と、WHOIの海洋学者で、この研究の主執筆者であるジェイク・ゲビー(Jake Gebbie)は述べている。

ハーバード大学の地球惑星科学教授で、この研究の共著者であるピーター・ホイバース氏は、「
気候はあらゆる時代で変化する。

もともとイギリスの軍艦として設計された3人乗りの「HMSチャレンジャー号」は、海洋と海底を探査する世界初の近代的な科学探検に使用された。

「私たちは、この歴史的データに異常がないかチェックし、温度計への圧力や温度計を降ろすための麻縄の伸縮に関連するさまざまな補正を考慮しました」とHuybers氏は説明する。

研究者らは、HMSチャレンジャー号のデータと現代の測定値を比較したところ、20世紀の地球温暖化から予想されるように、海洋のほとんどの部分で温暖化が見られた。

これらの結果は、現代の温暖化が始まる前の表層気候の変動が、現在も気候の温暖化に影響を与えていることを示唆している。前世紀に地球がどれだけ熱を吸収したかという以前の推定は、産業革命の初期に平衡状態にあった海洋から得られたものであった。

詳細情報: www.whoi.edu.