セントルシア

ヨーロッパのダイバーは紅海やモルディブで甘やかされてきた。カリブ海は若いトロピカルな場所だが、他では見られないものがここにはある。セントルシアは確かにそうだ。

多くの人は、カリブ海に存在する多種多様な海洋生物を評価していない。

多くの人は、カリブ海に存在する多種多様な海洋生物を評価していない。

前述のインド洋の目的地で数え切れないほどの時間を水中で過ごし、海洋生物を熟知している私も、カリブ海はいつも新鮮で「異質」だと感じている。

近年、セントルシアは大規模な開発が進み、多くのパッケージツアーで人気のデスティネーションとなりつつある。島の南部には国際空港がある。多くの国際的なホテルチェーンが、首都カストリーズに近い北部を中心に高級リゾートを建設している。とはいえ、島は開発されすぎているとは言い難い。観光地から少し離れるだけで、絵のように美しい漁村がたくさんある田舎の一面を見ることができる。

セントルシアは山がちな緑の島で、海岸線は静かな湾に囲まれている。最も風光明媚なのは南部のスフリエールの町付近だ。海からほぼ垂直に空に向かって伸びる双子の峰「ピトン」がある。

アンス・シャスタネット・リゾートは、人里離れたプライベートな入り江にある。

ダイブセンターはビーチに面していて便利だ。 ドロップオフでは、岬を回り込むように進むことができる。セントルシアの海は、水面から景色が浮かび上がってくるのと同じように、水面下へも急速に落ちていくため、島には沖合のポイントはない。ハウスリーフでは穏やかなダイビングが楽しめるが、海岸線に沿って遠くまで行くには、常に潮流に注意しなければならない。

セントルシアの生物多様性の豊かさはすぐにわかる。

リーフを左手に進むと、大きな樽カイメンが見られるサンゴのガレ場をいくつも通り過ぎ、ギンガメアジの群れがリーフの上をかすめ、リーフフィッシュを捕食している。浅瀬の小さな洞窟には、多種多様な生物が生息している。ベラの群れ、針魚の群れ、クロミスの群れなど、私たちの存在に慣れているように見える。

この多様な海洋生物は、セントルシア島が火山島であるおかげで、栄養豊富な海に囲まれているためだろう。

空港からリゾートまでの道中、私たちは世界で唯一の "ドライブイン火山 "を通り過ぎた。

1766年以来噴火がないにもかかわらず、硫黄の匂いはこの島の火山遺産を強調している。 この島の魅力は極上のショアダイビングだけではない。リゾートの入り江からボートで岬を回れば、プチ・ピトンとグロ・ピトンという、海からそびえ立つ双子の火山尖塔が景色を支配する、息をのむような絶景が待っている。

2004年にユネスコの世界遺産に指定されたこの地域が、いかに優れた文化遺産、自然遺産とみなされているかがよくわかる。

ピトンの基部周辺では、さまざまな場所でダイビングができる。スーパーマンの飛行」と呼ばれるダイブサイトは、『スーパーマン2』の撮影に使われたことからその名がついたもので、素晴らしいダイビングが楽しめる。大きなウミウチワが流れにのってゆったりと漂い、タイマイがリーフに沿って移動しているのが見られる。

インド洋でよく見られるような巨大な魚の群れはここでは見られない。

セントルシアは涙のしずくのような形をしている。過去にはイギリスとフランスの植民地支配が交互に続いた。

ダイビングはもちろん、ハイキング、マウンテンバイク、乗馬などが人気のアクティビティだ。 スフリエール湾の海底から300m以上隆起した後、水面に接しそうになる4つの海山は、さまざまな種類のソフトコーラルとスポンジで豊富に覆われている。色とりどりのゴルゴニアンの間をトランペットフィッシュやカワハギが舞っているのが見える。大きなバスケットスポンジがリーフから顔を出し、エビやハゼの隠れ家になっている。

セントルシアの人気スポット
:

アンス・チャスタネット・リーフ


このリーフはダイブセンターから歩いてすぐのところにある。マクロ撮影に適したこのリーフには、スズメダイ、針魚、カサゴ、ウツボなど150種類以上の魚が生息している。

フェアリーランド。 時折、カメがこのカラフルな場所で目撃されることもある。

ピナクルズ


深場から水面から数メートル以内に突然そびえ立つ4つのサンゴのピナクルでの素晴らしいダイビング。

スーパーマンのフライト


この場所はプチ・ピトンの麓にある。この崖は映画「スーパーマンII」の撮影に使われた。色とりどりのサンゴに覆われた急斜面に沿って、素晴らしいドリフトダイブが楽しめる。ダイビングから浮上すると、本当に壮大な景色が迎えてくれる。