テクニカルダイビングを始めるには?進むべきステップはこちら

scuba divingextended range
Predrag-Vuckovic

この文章を読んでいるということは、あなたはすでに多くのダイバーが見ることのない場所に憧れているのではないでしょうか。レクリエーショナルダイビングの限界を超えた深海に眠る静かな沈没船。暗闇の中へと果てしなく伸びる石灰岩のトンネル。時が止まったまま、探検者を待ち続ける鉱山。あるいは、より長く、より安全に潜る計画を立て、自分自身の限界に責任を持って挑戦する能力を身につけたいという思いかもしれません。

それこそがテクニカルダイビングの本質です。そして、そのすべては正しいトレーニングから始まります。 自信を持ち、確かなスキルを備えたテクニカルダイバーになりたいのであれば、その道はここから始まります。

このガイドでは、SSIのエクステンデッドレンジ認定を通じて、あなた自身の成長に合わせた道筋をどのように描いていくかをお伝えします。各コースがなぜ重要なのか、成功するためにどのようなスキルと考え方が必要なのかもご紹介します。さらに、各レベルで新たに潜れるようになる環境やダイブサイトを知り、あなたの旅路に最適なインストラクターやトレーニングセンターの見つけ方についても学んでいきましょう。

なぜテクニカルダイビングを始めるのか?

経験豊富なレクリエーショナルダイバーで、テクニカルダイバーへのステップアップを考えている方にとって、通常の30〜40メートルの範囲を超え、オーバーヘッド環境や減圧潜水に踏み出すというのは、少し怖くもあり、同時に強く惹かれるものでもあります。テクニカルダイビングは、単に深く潜ることが目的ではありません。それは、自分の能力を広げ、より安全に深場や沈船、洞窟、鉱山といった環境、あるいは長時間の減圧プロファイルを探検できるようになることなのです。

ギリシャに眠るHMHS ブリタニック号(深度120m)のデッキから、南アフリカの不気味な深淵ボースマンスガット、そしてメキシコのセノーテの神秘的な洞窟システムに至るまで──テクニカルダイビングは、そんな未知の世界への扉を開いてくれます。

しかし、これらの環境に挑むには十分な準備が必要です。テクニカルダイビングには、綿密な計画、高度な器材の操作技術、そして強い精神的規律が求められます。そのため、SSI エクステンデッドレンジのトレーニングプログラムは、スキルを一歩ずつ確実に積み上げていけるよう設計されているのです。

1.基礎を作る

経験豊富なダイバーであっても、テクニカルダイビングにおける浮力コントロール、トリム(姿勢)、フィンワーク、そしてチーム意識について、学ぶことがいかに多いかに驚かされるものです。そのため、あなたの旅はエクステンデッドレンジファウンデーション(エクステッドレンジの基礎)コースから始まります。

このコースは単なる復習ではなく、専門家の指導のもと、ワークショップ形式で基礎スキルを磨く絶好の機会です。高度なフィンワークを練習し、トリムや浮力の調整を完璧にし、チーム内でのコミュニケーションや状況認識能力を高めていきます。

なぜこれが重要なのでしょうか? これらは、すべてのテクニカルダイバーやダイブチームが依存する基本的なスキルだからです。静止する能力、効果的にコミュニケーションを取る能力、減圧停止を正確に行う能力、水中での効率を最大化する能力がなければ、テクニカルダイビングの挑戦はあまりにも大きくなってしまいます。だからこそ、しっかりとした基礎が必要なのです!

2.フラッグシップ・プログラムに参加する

基礎をマスターしたら、次はすべてのSSIエクステンデッドレンジプログラムの基盤となるコース、エクステンデッドレンジトライミックス(Extended Range Trimix) の番です。このコースは、本格的な深海潜水への扉を開き、テクニカルダイバーへの真のステップアップを意味します。

ここでは、ヘリウムを含む呼吸ガスを用いて、最大45メートルまでのデコンプレッションダイビング(減圧ダイビング)計画・実行する方法を学びます。高度な器材構成を扱い、より長く複雑なダイビングに対応するための精神的規律も養います。

開講内容:トラックラグーンのすべての沈船に簡単にアクセスできるようになり、、マルタ沿岸のより深い沈船や、ダハブのブルーホールの深く劇的なウォールも潜れるようになります。まさに本格的な深海潜水への扉を開くコースです。

世界でもっとも過酷な深海ダイブサイトのいくつかを探検し、そこに到達するために必要な技術や準備を学びます。

3.専門分野を極め、学び続ける

テクニカルダイバーとして、あなたの道は目標に応じてさまざまに枝分かれします:

  • エクステンデッドレンジ サイドマウントは、オーバーヘッド環境を探索するダイバーに最適です。サイドマウントは、流線型の姿勢を取りやすく、ガス管理も簡単で冗長性も確保できるため、狭いオーバーヘッド環境に非常に適しています。
  • テクニカルエクステンデッドレンジトライミックスは、さらに深く潜ることを可能にします。オープンサーキットで複数のステージと複雑なガス混合を使用し、最大60メートルまでの減圧潜水が無制限認定されます。より深く、より長く潜りたいダイバーにとっての次のレベルです。

なぜこれらが重要なのか:世界有数の沈船やフランス・ロット地方の深い洞窟の探検には、このレベルのトレーニングと規律が必要だからです。

4.サイレント・レボリューションに参加する

より長時間の潜水、泡の出ない移動、そして最大限の効率性に興味があるなら、クローズドサーキット・リブリーザー(CCR)がテクニカルダイバーとしての道になるかもしれません。まずは安全なインストラクター指導のもとで、トライSCRや、トライCCRでリブリーザーを体験してみましょう。

より長い無減圧潜水のためのSCR ダイビング、減圧を制限するためのCCR エクステンデッドレンジそして、極限の深度と潜水時間に挑戦するならCCR テクニカルエクステンデッドレンジ(CCR ハイポキシックトライミックス)へ進みます。

なぜリブリーザーを選ぶのか?

バブルフリーのCCRは、写真撮影、野生動物とのふれあい、本格的な探検に理想的である。非常に少ないガス消費量と温かい呼吸で、CCRはディープダイビングのためのツールである。フロリダのスプリングでの深い洞窟探検から、フランスのフォン・エストラマールでの記録的潜水まで、さまざまな挑戦に活用できます。

5.オーバーヘッド環境に挑む

多くのダイバーにとって、究極の挑戦はオーバーヘッド環境です。ここでは、直接水面に浮上することができません。オーバーヘッド環境は、世界でも最も困難でやりがいのあるダイビングを提供しますが、同時に専門的なトレーニング、規律、そして絶対的なコントロールが求められます:

  • まずはケーブダイビングから始めます。ここでは、器材の使い方、ガス管理の基本概念、バディチームでのスキルを学びます。水面へのアクセスは制限されますが、まだ光の届くゾーン内でのダイビングです。
  • フロリダのピーコックスプリングスからフランスのレッセル洞窟まで、長く複雑な貫通部を探検する ケーブダイビング、そして 最終的にはフルケーブダイビングへと進みます。
  • マインダイビングフルマインダイビング は、ドイツのクリスティーヌ鉱山やスロバキアのオパール鉱山のような歴史的で不気味な環境への扉を開きます。これらは、ほとんどの人が目にすることのない、独特で印象深い場所です。

オーバーヘッド環境のトレーニングが重要な理由:これらの環境は非常に厳しく、一瞬の判断ミスが命取りになります。トレーニングによって、スキル、冷静さ、自信を身につけ、安全に光の届く場所へ戻る力を養うことができるのです。

スロバキアの美しいオパール鉱山が、なぜ訪れる価値があるのかをご覧ください。

6.ディープレックダイビングを体験する

深海で沈船に潜入するには、深度、オーバーヘッド環境、歴史的背景など、独自の専門知識が求められます。エクステンデッドレンジレックダイビングコースでは、光の届く範囲内での潜入ダイブや、最大40メートルまでの潜水に備えます。SSIのテクニカルレックダイビングコースでは、より複雑な沈船潜入や、最大100メートルまでの深度に対応できるトレーニングを行います。

このコースで開ける世界:レバノンのHMSビクトリアからノースカロライナ沖のUSSモニターまで、これらのダイビングは歴史とあなたを直接結びつける体験を提供します。 しかし、安全に潜るためには適切なスキルが不可欠です。

テクニカル・ダイバーになるには

熟練したテクニカルダイバーになるには、時間、忍耐、そして努力が必要です。 トレーニングに取り組む際のステップは以下の通りです:

  • 焦らず取り組みましょう。次のステップに進む前に、まずひとつのコースを確実にマスターしてください。各レベルは前のレベルの上に成り立っており、それぞれの経験が次のステップに必要となります。
  • 定期的にダイビングをしましょう。 スキルを維持し、さらに磨くためには、実践が不可欠です。
  • 自分の目標に正直でいましょう。 洞窟を探検したいですか?沈船ですか?CCRで深く潜りたいですか?あなたの野望に応じて進むべき道を選んでください。
  • 謙虚でいましょう。 すべてのダイビングは学びの機会です。ー自分自身、チームメイト、そしてインストラクターから学べることがあります。

正しいトレーニングセンターやインストラクターの選び方

インストラクターやトレーニングセンターの選択は、受講するコースと同じくらい重要です。SSIのダイブセンターを選び、あなたが探検したい環境で実際に潜っている、経験豊富で現役のインストラクターがいるかを確認しましょう。

認定取得を急ぐよりも、安全性、質、指導力を重視するセンターを優先しましょう。 また、あなたの個人的な目標を理解するために時間をかけてくれるインストラクターを選ぶことが大切です。

迷わずセンターを訪れ、質問し、場合によってはクラスを見学してから決めましょう。 自分に合った環境を選ぶことが、テクニカルダイビングの旅において大きな違いを生みます。

自分だけの道を進む

特定の環境に特化することを目指すにせよ、幅広い経験を積むことを目指すにせよ、テクニカルダイバーとしての成長は、あなたの目標と同じくらい独自のものです。あるダイバーは複数の専門分野で幅広い経験を積み、また別のダイバーはひとつの環境で真の専門家になる道を選びます。

どちらのアプローチも有効であり、テクニカルダイビングの楽しみのひとつは、一生を通じて学び、探検し、自分に挑戦し続ける旅を自分で作り上げられることにあります!

どこへ行きたいと思っても、SSIエクステンデッドレンジのプログラムは、安全かつ自信を持って到達するための道具、スキル、そしてマインドセットを提供してくれます。

始める準備はできましたか?

息をのむような沈船、静かな洞窟、そしてほとんどのダイバーが目にすることのない深海――テクニカルダイビングの世界が、あなたを待っています。

お近くのSSIエクステンデッドレンジトレーニングセンターを検索し、今日からテクニカルダイバーへの第一歩を踏み出しましょう。

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